ある日、僕は「脳」だけになった……何てことをしてくれたんだ! 十メートル四方の部屋を舞台に繰り広げられる前代未聞の衝撃作!
2019年4月8日、河出書房新社より文庫『脳人間の告白』が発売となります。装丁ができあがってきました。
解説は永江朗さんです。
——浮遊する脳が導く哲学のレッスン
【小説の語り手である「僕」=本郷秀雄は交通事故に遭い、脳だけとなって生きている。いや、生かされてい
る。研究室の水槽の中で生命維持装置につながれている。脳だけになった「僕」が語る。本郷は他人が自分をどう思っていたのかを知り、研究する側ではなく研究される側になった感覚を知る。ぼくはこの小説を哲学的ファンタジー、あるいは思考実験の物語として読んだ。】
【思考は独我論の深い穴に落ちていく。連想は果てしなく続く。伝えられない「惟い」に意味はあるのか。仮に意味があったとしても、誰がそれを認めるのか。】
【やがて本郷が巻き込まれた交通事故の真相が解き明かされる。彼は情報を発したわけではない。行動を起こしたわけでもない。「ワレ惟ウ、故ニワレ在リ」ではなく、「他者ガワレヲ惟ウ、故ニワレ在リ」なのである。】
ぜひご予約注文ください。
脳人間の告白 文庫 – 2019/4/8 高嶋 哲夫 (著)